新年から恥をさらす

Lv97 5%

あけましておめでとうござます!今年もふがいない成葉をどうかよろしくお願いします!!
何か投稿できないかなって思ったけど無理だったです!HAHAHA、そんなもんさ!

年始から駄目駄目だが私は駄目駄目をあえて貫こう!

以下、とある方の文に触発されて書いたもの
オマージュっていうか、リスペクトっていうか、パクリっていうか…………!
機会があったら書き直したいですが、そんな機会あるかな!ないかな!?



 「どーするよ?」
 だだ広いギルドハウスの一角で男は尋ねた。男は露出のある藍紫のを身に纏い、退屈そうに煙草を吹かしていた。くつろいではいるが纏っている雰囲気には隙がない。男はチェイサーだった。
 問いかけは二人しかいない部屋の中を反響する。
 「どうって?」
 男の言葉に床に座っていた女が答えた。紅い上着を羽織った女の周囲には大量の薬草が散らばっている。女はクリエイターだった。振り向きもせず問い返した女の横で、ぱたぱたと尾を振るホムンクルスが彼女の代わりにじっと男を見ていた。
 男は女の切り返しに面喰ったように目を瞬かせたかと思うと、「あ~……」と言葉を選ぶように語を伸ばした。短い髪を掻き毟る。左手の煙草から灰が僅かに落ちた。
 上位二次職と呼ばれる者たちに全員に通達されたのは、異世界の調査という得体のしれない命令だった。国の名を使い、神の名を使い、魔王の名を使い、全ての職ギルドに要請された依頼は明らかにおかしなものだった。地図にすら載っていない、そもそも存在しない土地に時空の歪み飛び込めという。前例的実験の生存者数は機密事項。仮に成功したとして再び元の世界に戻れる可能性は未知数。研究目的は極秘。
 まるで冒険者を捨て駒としか見ていないかのような出動命令だ。いや、国からしてみれば冒険者は恐らく捨て駒なのだろう。「評価した分は行動で見せろ」というのがお偉いさん方の思うところなのだろう。好き好んで評価してもらった訳ではないのだが、まぁそれを言うと埒が明かない。
 男はこの依頼を快く思わなかった。思うはずがない。冒険者として異世界に行くメリットはたったの一つだけなのだ。一人だったらギルドから追放されようが何しようが、書類を叩きつけてきただろう。しかし、それをしなかったのは長らくコンビを組んできたこの女がどうするのか気になったからであった。
 女はそのままテキパキとハーブを調合し、ガラス瓶の中をポーションで満たしていく。何度か煙を発し、何度か爆発したが、男はその様子をじっと眺めていた。途中女のホムンクルスがよじ登ってきたので持ち上げてやるとびちびちと跳ねられた。この動作が喜んでいるのだと分かったのは、出会ってから暫く立った後だったなと思い出す。そもそもはじめはこんなにホムンクルスも大きくなかったはずなのに今では立派な成体だ。
 それだけ長い間共にしてきたのだと改めて男は感じた。だからこそ、聞きたかった。
 「……わよ」
 「ぁ?」
 言葉が思いつかず、男が二本目の煙草に手を伸ばそうとしたときだった。女がポツリと呟く。
 「私は行くわよ」
 迷いのないはっきりとした口調だった。
 「理不尽な賭け事だとは思うわ。でも冒険者にうってつけの仕事だとも思う。お偉い方々の腹黒い思考なんて私にとってはどうだっていいの。まだ見ぬ世界が其処にある、それだけで理由は十分よ」
 にこやかに言い切り、ようやく振り返った女の笑顔は自信に満ちていた。晴れやかで豪気で、男にとっては眩しくて仕方がない。「怖気づいているの?」と、女は男をからかう様な口調で尋ねた。
 男は矢張りこの依頼を快く思わない。女と同じく、上層部の思惑なんか知ったこっちゃない。だが今の女の言葉で自らがどうして冒険者になったのかを思い出した。
 俺は世界を見たかったんじゃなかったのだろうか。
 すると、今まで渋っていた答えはいとも簡単に出てくる。
 「まさか。……ったく。しょうがねぇから俺も行ってやるよ」
 「あら、来たくないなら別にいいのよ?ねぇ?」
 そう、女は笑って男の膝にいた自らのホムンクルスを呼んだ。ばちっと男の上で跳ねたホムンクルスは女の胸にすっぽりと収まる。表情変化に乏しいといわれるホムンクルスの顔がばぁっと晴れるのが分かる。矢張り主人の元が一番嬉しいらしい。愛おしそうにホムンクルスを抱きながら、女は男に手を差し出した。
 「これからもよろしくね」
 「おう。ま、嬢ちゃんだけで異世界探索なんて何も出来ずに終わっちまいそうだからなぁ」
 茶化すとまだ中身の入っていないガラス瓶が飛んできた。
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by vrougev | 2011-01-01 01:54 | Life