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くりすます★まじしゃん   3

「んで・・あれらは」
群がって口をあんぐりと開けている様は無様以外の何者でもない。
「ナンパ魔達だよ♪僕彼氏もちなのに~」
「馬鹿か。お前は」
誰が、彼氏だ。誰が。そう、心の中で訴えたのが通じたのかにぃっと笑った顔を近づけて言う。
「ぼ・く♪」
どかっ
思わず人前だというのにロジェはフィーリを突き飛ばした。思いもしてなかったことなのかフィーリはよろけて地面に尻餅をつく。
「わっ・・たたた・・。ロー君痛いよぉ~!!」
そしてまた、そんな台詞を猫かぶって、そして涙目で言うもんだから周りのギャラリーも
「彼氏が彼女に暴力を振るったわ」
だの
「最悪な男だな!!俺だったら彼女にそんな苦しい思いはさせないのに・・」
だの
「おい、ちょっとあの男絞めようぜ!!ふざけんじぇねぇっ!!」
だの。
そんな言葉を口々に発する人々をロジェは一睨みで封じた。五月蝿い以外、何者でもない。
そして、早くここから立ち去りたかった。早急に、一人で、だ。しかし、そんなわけにも行かない。
「行くぞ」
そういって成り行き上、今さっき突き飛ばしたフィーリに手を差し出す。
「うんっっ!!早く行かなきゃねっ☆ロー君♪」
そういって再びロジェの腕に絡みつくフィーリに向けて小声で言うのだった。
「(お前・・何のつもりだ!!これは)」
「(お仕事だよ。ロー君)」
傍から見れば仲良く愛を囁き合っている恋人たちのように見える姿のまま。
「(今日一日とある人を守る事~)」
一層と耳に近づいてフィーリは言った。
「(彼女は、殺し屋に狙われているんだってさ♪)
はぁ・・とため息しか返せなかった。
今日は世間一般では何の日だったかを必死に思い起こしたかった。

by vrougev | 2005-12-25 16:21 | キセツモノ