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一話   真偽都市国家   1

ちょうど東の空からまばゆいばかりの光が上ろうとしていたころ。
彼ら二人はとある国に着いた。
きらきらと輝く粒子の中、彼らは国境審査官の説明を受けていた。
人当たりのよさそうな、それなりの歳をとった中年の審査官が彼らの担当だった。
「今この国はね、東と西で対立しているんだ」
「対立中?」
疑問系を浮かべたのは隣の座った魔法使い。名をフィーリという相棒がにこにことしながらほおづえをつき座っている。
「あぁ、そうさ・・もう3年にもなるかな?」
審査官は少し疲れたような表情を浮かべた。
「この国の・・旅人に対しての扱い方の問題さ。・・君たちはまちがっても関わってはいけないよ?ややこしい問題だからね」
「・・・俺たちに関係あることじゃないのか?」
俺は審査官に尋ねたが、あいまいな微笑で返された。
「君たち、休息をとるなら必ずここを抜けた先にある東の町で休みなさい」
二人で審査員の言葉にうなずいた。守れるかどうかは分からないが・・
それを見た審査官はうんうん、といいながらペンを置いた。
「では、フィーリ=メ=ルーン。そして、ロジェ=ミラ=クレセント。両者の入国を許可します」
そして、立ち上がり入国管理室の扉を開いた。
「ようこそ、私たちの国へ」
開け放った扉は彼らを迎えているのだろうか。

それはこれからのお話。

by vrougev | 2005-08-10 20:44 | きらきら☆まじしゃん【休止中】